2016年10月末をもって、2006年より続いてきた楽天オークションが終了となります。

サービス終了のお知らせ-【楽天オークション】

現在のネットオークションサイトは今世紀に入ってからヤフオク一強状態が長年続いており、ほかのサービスは次々競争に負けて消滅するという形が続いております。ただ、近年は「メルカリ」などのモバイル特化型のオークション(フリマアプリ)が、スマホの発展と共に急進しておりますので、それがどうなるかにも注目です。

さて、このネットオークション、過去のいろいろなサービスを見てみると、ちょっとおもしろい共通点が見えるものがあります。今日はそれについて。
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ヤフオク!と福岡ソフトバンクホークス


まずネットオークションサイトの歴史につきましては以前このブログでも書きました。2009年でもう7年も前のものになりますが、それまでのネット史におけるオークションサイトの動向はある程度分かると思います。

ヤフオク有料化騒動はその後どうなったのか : Timesteps

現在のヤフオク!のもとになったYahoo!オークションは1999年に日本でスタートして以来、ネットオークションの代表的存在として独走状態となっています。前述のように近年ではメルカリなどネットフリマアプリが猛追しておりますが、それでも今までのブランドもあり、長年のトップの座を譲り渡してはいません。

さて、日本でのYahoo!の運営を行っているのはソフトバンクですが、同社はご存じの方も多いように現在ではパ・リーグの球団、福岡ソフトバンクホークスを持っています(ダイエーから譲渡。2005年より)。
そのソフトバンクホークスのホームスタジアムである福岡ドームは、2013年より福岡 ヤフオク!ドームに名称が変更となり、ヤフオクの名はプロ野球関係でも目にするようになりました。


楽天フリマと東北楽天ゴールデンイーグルス


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福岡ソフトバンクホークスの登場と同じく2005年、新しく登場したもう一つの球団があります。それが近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併により1チーム分の空席が出来たパ・リーグに誕生した東北楽天ゴールデンイーグルス。
言うまでもなく運営元は楽天。そして最初に語ったように、楽天は「楽天オークション」を運営していました。

今の形の楽天オークション自体は2006年からの運営であり、球団が生まれた頃にはまだ登場していないことになりますが、実はヤフオクの開始(1999年)とほぼ同時期から、楽天オークションの前身となる「楽天フリマ」というものがスタートしていました(現在の楽天のフリマサービス「ラクマ」とは別物です)。ただ当時の楽天フリマの出品は業者向けの色合いが濃く、一般ユーザーが中心として出品しているヤフオク!等とは異なる感じだったと記憶しています。

現在、楽天は「ラクマ」のほか、同じくスマホ向けフリマサービス「Fril(フリル)」を買収しています。今回の楽天オークション終了は、モバイル向けへのシフトという意味合いもあるでしょう。

■参考:キーワードは“決済”——フリマアプリ「フリル」が楽天傘下での成長を選んだワケ | TechCrunch Japan


ビッダーズと横浜DeNAベイスターズ


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そしてもうひとつ、このインターネットオークション黎明期に存在感があったネットオークションがあります。それは独自運営のサイトのほか、様々なプロバイダのポータルとも組んで運営をしていた「ビッダーズ」。そしてここの運営元の名前が「ディー・エヌ・エー(DeNA)」。

ディー・エヌ・エーはかつて「モバゲータウン」を運営しており、そのモバゲーがグリーと共に大人気になり成長したのは有名です。そのモバゲータウンがオープンしたのが2006年。しかし、それ以前の2004年には、現在も続く携帯電話専用オークションサイトの「モバオク」をすでに運営開始しておりました。そしてさらに前、 ディー・エヌ・エーが起業した年(1999年)から運営されていたのが、このオークションサイト「ビッダーズ」だったのです。

そのまま長年ディー・エヌ・エーのオークションサイトとして細々と続いてはきたものの、2014年3月19日に終了。

[ビッダーズからのお知らせ]

かつてのトップページは、現在は他のサービスへの誘導となっていますが、ビッダーズから分離したショッピングサイトが現在存在していますので、その後継のようなものと考えられます。

そのディー・エヌ・エーは、横浜ベイスターズを買収して親会社になり、2012年より横浜DeNAベイスターズとして始動。そして今年2016年、全球団中唯一クライマックスシリーズ未経験だった同球団は3位でAクラス入りして出場することになりました。


プロ野球球団を手に入れるならネットオークション?



つまるところ、今世紀になってから親会社が変わって新しく登場した球団は(オリックスバファローズは既存2球団の合併なのでカウントしないことにすれば)、全てかつてネットオークションを運営していた、もしくは現在でも運営しているというところになるのです。
オークションサイト自体は特化型、もしくはほとんど無名で機能していなかったようなところを含めると無数にありますが、総合型としてその時代に代表的であったサイトが今こうしてプロ野球球団のオーナー企業だと思うと感慨深いものがあります。

今、モバイルオークションとしてメルカリが存在感を示していますが、将来もしプロ野球球団を持てば完璧かもしれません。もしくはプロ野球球団を将来持ちたい企業組織は、ネットオークションサイトを始めると以下略というネタで落として今日はこれまで。


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