このところ、1980~90年代あたりで人気を博したバンドが再結成するパターンが多いですね。まあ営業上の事情とかいろいろあるでしょうが、それが嬉しいファンも多いと思います。自分も最近ユニコーンが再結成して曲が聴けたの嬉しかったし。
さて、今日はその1980~90年代に人気を博したバンド『HOUND DOG』(ハウンドドッグ)についてのお話。
※この文章は特記事項がない限り2009年3月15日時点のものです。2016年1月8日リンク切れ修正と若干追記。
The Hound Dog / swong95765
ハウンドドックは、1980年3月21日にデビューしたロックバンドで、曲としては『ff (フォルティシモ)』『BRIDGE~あの橋をわたるとき』が有名です。また、1991年には紅白歌合戦のメンバーに決まりながら、歌曲を巡って争いになり辞退したことも知られています(その代わりに紅白に出たのが、これも最近再結成したバブルガム・ブラザーズ)。
そして何度かのメンバー入れ替えを行いながらも、長い間人気のあるバンドとして活動してきました。しかし2005年から2006年にかけて、ファンにとって非常に驚かせ、ワイドショーや週刊誌でも度々採りあげられる出来事が起こります。
ハウンドドッグはマザーエンタープライズという事務所に所属していたのですが、ボーカルの大友康平氏と事務所との間で対立が発生。その結果大友氏は個人事務所イエホックを設立して独立します。 するとマザーエンタープライズは、ハウンド・ドッグに関する一切の業務を終了する事を発表し、暗に解散の発言がなされます。
大友氏はこれを拒否し、ハウンド・ドッグを継続すると宣言します。
しかし、キーボードの蓑輪単志氏、ベースの鮫島秀樹氏が移籍に難色を示し、結果別活動に。2人の脱退、特に初期メンバーであり、『ff (フォルティシモ)』など数々の曲の作曲を担当する蓑輪氏の離脱にファンに衝撃が走ります。
ただ、普通の脱退だったらバンドにはよくあることなのですが、ここで蓑輪、鮫島両氏は「脱退」を否定するという、変わった展開になります。しかし、実質はハウンドドックは残りの4人にサポートメンバーを加えて活動することになります。
しかし2006年6月3日、ドラムの橋本章司氏、ギターの西山毅氏、そして結成からのメンバーで、数々の代表曲を作曲したギターの八島順一氏が「HANBUN DOG(6-3)」と題したパーティーを開催することを発表。 それに対して、6月18日、大友氏はハウンドドッグを自分ひとりで活動を続けると表明します。これはイエホック側の理由としては「HANBUN DOG(6-3)」が前所属事務所であるマザーエンタープライズの関係で行われていたことから、「ハウンドドッグを操ろうという動き」に載せられた事が理由となっていたとのこと。
しかし、3氏は脱退を否定。そして以下の発言がなされたということです。
・イエホックは当初から、3名を大友のバックミュージシャン扱いしていた。
・新曲の権利をすべて無償でイエホックに譲り渡すことを要求してきた。
・3名は大友との話し合いを求めたが、大友は携帯の番号を変えて連絡がとれない状況であった。
・代理人弁護士から携帯メールで一方的に解雇を告げられた。
・「HANBUN DOG(6-3)」は元の6人でもう一度やり直したいという意味を込めたものであり、前事務所の干渉や、一部で噂された宗教団体の関与などは全くない。
しかしその後のハウンドドッグとしての活動は、実質大友氏とサポートメンバーで行われ、ライブもそのメンバーで行われました。しかしその騒動のさなかの7月22日、3名がそのライブ会場に自腹で入場したことが話題となります。ちなみにこの場でも騒動に対しての説明はなされず、また八島、蓑輪氏の作曲した曲も歌われたとのこと。
その後もハウンド・ドッグは大友氏1人とサポートメンバーという形でのらライブなどが行われます。
ただ、一部のリリースに対して、やはりこの問題が尾を引いているようです。
また、その他のメンバーも音楽活動を行っているようです。ただ、蓑輪氏はほとんど表に出てくることがないとのこと。
この騒動では訴訟が起きているのですが、それが2つあり、内容も複雑になっているようです。
まず、蓑輪氏と鮫島氏が大友氏、八島氏、橋本氏、西山氏に対して起こしている民事訴訟。こちらは「ハウンド・ドッグ」の名称使用権とバンド復帰、それと旧事務所から独立した際の損失に対する賠償。
こちらは大友氏以外の3氏とは和解が成立しているようです。
もうひとつは、旧事務所マザーエンタープライズが、イエホック及び大友・八島・橋本・西山に対して起こしている民事訴訟。こちらは事務所罪責時の裏営業や独立されたことに対する件についての損害賠償と、謝罪広告。この件に関しては、訴訟自体が名誉毀損だと、大友氏側が反訴を行っているということ。裁判所から和解勧告も出されましたが、それを拒否して結審を待つ状態のようです。そしてこちらも3氏は和解済みとのこと。
ポイントは以下のものとのこと。
そして今年になって、判決が下ったようです。その結果、独立の損害賠償については棄却、裏営業については一部容認、大友氏側の名誉毀損反訴は棄却。これに対して事務所側が控訴して、まだ裁判が続くとのこと。
※追記(2016/1/8)
2009年5月、控訴棄却。
この問題について、当事者と同じくらい、ある意味それ以上にダメージを受けているのはやはファンの人達でしょうね。
このエントリーを調べていて、ファンの方がこの問題に触れているサイトにもわりとたどり着きましたが、どの方も今の状態に対してやはり明るくはなれないようです。ファン活動を止めてしまおうかと呟いている人、もうすでに止めてしまった人も見受けられました。しかし希望を持って、6人での活動再開の署名を集めているというサイトも見られました。
その後もファンを悲しませるような結果にならなければよいなと思います。
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参考
■ハウンドドッグ解散、大友が独立7・9武道館が最終
■HOUND DOG - Wikipedia
■Techinsight ? 大友康平率いるハウンドドッグが久々のライブ ROLLYと初共演も
■【バンド名】おまえはただのハウンド・ドッグ【訴訟】 ブログの悪魔/ウェブリブログ
■“第2のおふくろさん”騒動? 大友康平に「待った」
■[N] ハウンドドッグ、和解
■HOUND DOG - Wikipedia
■大友康平 - Wikipedia
■八島順一 - Wikipedia
■蓑輪単志 - Wikipedia
■鮫島秀樹 - Wikipedia
■西山毅 - Wikipedia
さて、今日はその1980~90年代に人気を博したバンド『HOUND DOG』(ハウンドドッグ)についてのお話。
※この文章は特記事項がない限り2009年3月15日時点のものです。2016年1月8日リンク切れ修正と若干追記。
The Hound Dog / swong95765
事務所からの独立とメーバー2名脱退?騒動
ハウンドドックは、1980年3月21日にデビューしたロックバンドで、曲としては『ff (フォルティシモ)』『BRIDGE~あの橋をわたるとき』が有名です。また、1991年には紅白歌合戦のメンバーに決まりながら、歌曲を巡って争いになり辞退したことも知られています(その代わりに紅白に出たのが、これも最近再結成したバブルガム・ブラザーズ)。
そして何度かのメンバー入れ替えを行いながらも、長い間人気のあるバンドとして活動してきました。しかし2005年から2006年にかけて、ファンにとって非常に驚かせ、ワイドショーや週刊誌でも度々採りあげられる出来事が起こります。
ハウンドドッグはマザーエンタープライズという事務所に所属していたのですが、ボーカルの大友康平氏と事務所との間で対立が発生。その結果大友氏は個人事務所イエホックを設立して独立します。 するとマザーエンタープライズは、ハウンド・ドッグに関する一切の業務を終了する事を発表し、暗に解散の発言がなされます。
大友氏はこれを拒否し、ハウンド・ドッグを継続すると宣言します。
しかし、キーボードの蓑輪単志氏、ベースの鮫島秀樹氏が移籍に難色を示し、結果別活動に。2人の脱退、特に初期メンバーであり、『ff (フォルティシモ)』など数々の曲の作曲を担当する蓑輪氏の離脱にファンに衝撃が走ります。
ただ、普通の脱退だったらバンドにはよくあることなのですが、ここで蓑輪、鮫島両氏は「脱退」を否定するという、変わった展開になります。しかし、実質はハウンドドックは残りの4人にサポートメンバーを加えて活動することになります。
大友氏1人のハウンド・ドッグ
しかし2006年6月3日、ドラムの橋本章司氏、ギターの西山毅氏、そして結成からのメンバーで、数々の代表曲を作曲したギターの八島順一氏が「HANBUN DOG(6-3)」と題したパーティーを開催することを発表。 それに対して、6月18日、大友氏はハウンドドッグを自分ひとりで活動を続けると表明します。これはイエホック側の理由としては「HANBUN DOG(6-3)」が前所属事務所であるマザーエンタープライズの関係で行われていたことから、「ハウンドドッグを操ろうという動き」に載せられた事が理由となっていたとのこと。
しかし、3氏は脱退を否定。そして以下の発言がなされたということです。
・イエホックは当初から、3名を大友のバックミュージシャン扱いしていた。
・新曲の権利をすべて無償でイエホックに譲り渡すことを要求してきた。
・3名は大友との話し合いを求めたが、大友は携帯の番号を変えて連絡がとれない状況であった。
・代理人弁護士から携帯メールで一方的に解雇を告げられた。
・「HANBUN DOG(6-3)」は元の6人でもう一度やり直したいという意味を込めたものであり、前事務所の干渉や、一部で噂された宗教団体の関与などは全くない。
それそれのメンバーの活動
しかしその後のハウンドドッグとしての活動は、実質大友氏とサポートメンバーで行われ、ライブもそのメンバーで行われました。しかしその騒動のさなかの7月22日、3名がそのライブ会場に自腹で入場したことが話題となります。ちなみにこの場でも騒動に対しての説明はなされず、また八島、蓑輪氏の作曲した曲も歌われたとのこと。
その後もハウンド・ドッグは大友氏1人とサポートメンバーという形でのらライブなどが行われます。
ただ、一部のリリースに対して、やはりこの問題が尾を引いているようです。
また、その他のメンバーも音楽活動を行っているようです。ただ、蓑輪氏はほとんど表に出てくることがないとのこと。
二つの訴訟
この騒動では訴訟が起きているのですが、それが2つあり、内容も複雑になっているようです。
まず、蓑輪氏と鮫島氏が大友氏、八島氏、橋本氏、西山氏に対して起こしている民事訴訟。こちらは「ハウンド・ドッグ」の名称使用権とバンド復帰、それと旧事務所から独立した際の損失に対する賠償。
こちらは大友氏以外の3氏とは和解が成立しているようです。
もうひとつは、旧事務所マザーエンタープライズが、イエホック及び大友・八島・橋本・西山に対して起こしている民事訴訟。こちらは事務所罪責時の裏営業や独立されたことに対する件についての損害賠償と、謝罪広告。この件に関しては、訴訟自体が名誉毀損だと、大友氏側が反訴を行っているということ。裁判所から和解勧告も出されましたが、それを拒否して結審を待つ状態のようです。そしてこちらも3氏は和解済みとのこと。
ポイントは以下のものとのこと。
・大友側の主張する「独立を旧事務所に宣言した時期」と「裏営業だとされる旧事務所に対する背任行為」の先後時期■参考:ソーシャルニュースサイト - iVote | ハウンドドッグ分裂余波 ※リンク切れ
・大友康平と事務所社長、大友康平妻(個人事務所取締役の1人)の陳述の矛盾
・大友の独立宣言と、旧事務所が予定していたとされるライブハウスツアーとの先後関係。つまり大友独立によって大友氏が旧事務所と完全に袂を分かち 、実害が生じることを予知しえた状況だったかということ。
そして今年になって、判決が下ったようです。その結果、独立の損害賠償については棄却、裏営業については一部容認、大友氏側の名誉毀損反訴は棄却。これに対して事務所側が控訴して、まだ裁判が続くとのこと。
※追記(2016/1/8)
2009年5月、控訴棄却。
ファンが受けるダメージ
この問題について、当事者と同じくらい、ある意味それ以上にダメージを受けているのはやはファンの人達でしょうね。
このエントリーを調べていて、ファンの方がこの問題に触れているサイトにもわりとたどり着きましたが、どの方も今の状態に対してやはり明るくはなれないようです。ファン活動を止めてしまおうかと呟いている人、もうすでに止めてしまった人も見受けられました。しかし希望を持って、6人での活動再開の署名を集めているというサイトも見られました。
その後もファンを悲しませるような結果にならなければよいなと思います。
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参考
■ハウンドドッグ解散、大友が独立7・9武道館が最終
■HOUND DOG - Wikipedia
■Techinsight ? 大友康平率いるハウンドドッグが久々のライブ ROLLYと初共演も
■【バンド名】おまえはただのハウンド・ドッグ【訴訟】 ブログの悪魔/ウェブリブログ
■“第2のおふくろさん”騒動? 大友康平に「待った」
■[N] ハウンドドッグ、和解
■HOUND DOG - Wikipedia
■大友康平 - Wikipedia
■八島順一 - Wikipedia
■蓑輪単志 - Wikipedia
■鮫島秀樹 - Wikipedia
■西山毅 - Wikipedia