現在、自分の持っているブログで横井軍平さんのリスペクトキャンペーンをしているので、ここでも横井軍平さんに関わりの深いもので書いてみたいと思います。
■関連:横井軍平さんの開発したものは『ドラえもん』にも影響を与えていた - 空気を読まない中杜カズサ
横井軍平さんの開発した偉大なものはたくさんあります。それは「ウルトラハンド」、「ラブテスター」、「光線銃」、「ウルトラスコープ」といった玩具。ゲームでは「ゲーム&ウォッチ」、「ゲームボーイ」などのハード、それに「ドンキーコング」、「バルーンファイト」、「マリオブラザーズ」「GUNPEY」といったソフトの開発に関わるなど、この人がいなければ現在のゲーム業界はなかったと言えるほど大きな存在です。
ちなみによく言われる「バーチャルボーイ」ですが、私としてはゲームハード的にはすばらしいものだと思っています(長くなるのでここでは割愛しますが、それ前後の「据置機ゲーム」という括りで見ないで、全く新しい玩具と見たほうがよいと思います)。ただ、広報とソフトがついてこなかった面がありますが。
■参考:横井軍平 - Wikipedia
さて、この横井さんが開発したものの中で、単体の製品ではありませんが非常に有名で、且つゲームの歴史にとって欠かせないものがあります。それが「十字キー」。
ゲームをやったことのないという方以外なら、殆どの方が十字型の方向操作キーである十字キーに触れたことがあるでしょう。これも横井さんの生み出したもので、初めて搭載されたのはゲーム&ウォッチのドンキーコングから。これの素晴らしいところは、片方を押した時に片方が盛り上がるため、指に返ってくる反応でどちらを押しているかがわかること。また押している感触もよく、任天堂のゲームハードにはこれが今まで標準的についています。またほかのゲーム機でも十字キーに近い形で方向キーが作られたものも多いです。
この素晴らしい仕組みについて、ビル・ゲイツに「未来のマルチメディア機器に搭載するのは十字キー」というようなことまで言わせました。
■参考:Philosophy of Nintendo - ゲーム&ウォッチ
■参考:2002 International CESレポート
さて、この素晴らしい発明ですが、今まで任天堂が権利を持っている、ということが言われてきました。しかしライバル機である「ドリームキャスト」などには十字キーが搭載されている上、ジョイスティックのようなものでは、セガ系、ソニー系のそのまま十字キーが搭載されることがありました。というわけで、この十字キーの権利に関して今どうなっているのか、ちょっと調べてみました。
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まず、ここで発見したこと。
■十字キー - Wikipedia
さて、「実用新案」から説明する必要があるでしょう。これは物品の形状、構造、組み合わせの「考案」に対しての権利です。
■参考:実用新案権 - Wikipedia
ちなみに有名な「特許」というものがありますが、これは発明に対しての権利なので、これが該当するとしたらゲームの操作ボタンそのものでなくてはいけないはずですが、これはすでに十字キーの生まれるだいぶ前にその存在があるので、該当しないでしょう。
そして、十字キーの場合この実用新案権を申請し、そして認められたことになります。ただ、持っていたのは十字型という外見ではなく、内部構造、すなわち真ん中に支点があり、片方を押した時にもう片方が持ち上がり、上下、もしくは左右を同時に押せないというしくみに対してのものだったようです。
余談ですが、任天堂はゲーム&ウォッチについて1980年に特許を取得しています。他の知的財産の権利については以下にわかりやすくまとめてありましたので、こちらをご参照ください。
■知的財産についてまとめてみた - チョコっとラブ的なにか
さて、このように十字キーは「実用新案権」が申請されていましたが、それの存続期間は現在の法律で出願から10年、当時の実用新案権の存続期間が適用されるとしても、期限は切れていることになります。ちなみに1994年といえばPS、SSが発売された年だったので、そこが最後に制約を受けた場所となるのでしょう。
ということは、ドリームキャスト(1998年発売)のコントローラに十字キーみたいなものが設定された時にはいろいろ言われましたが、もうこの時点では任天堂の実用新案権は失効していたことになります。ただ、ドリームキャストの方向キーも、任天堂が持っていた権利と引っかからないように作られていたらしいです。
■参考:ドリームキャスト - Wikipedia<
では、他の権利を今任天堂は持っているのかと調べてみたのですが、とりあえず特許、実用新案は見つからず(そもそもこの2つは特例でない限り延長はないはず)、商標検索でも出てこなかったため(そもそも部品名だから商標にはおそらく該当しない)、これらの権利は持っていないと思われます。ただ、もしかしたら何かの権利を保有しているという可能性もありますが、そこまで調べることはできませんでした。
現在、据置機ではアナログコントローラやWiiリモコンのようなものが方向操作の主体となり、昔ほど頻繁に十字キーが使われることはありません。しかしそれでもDSなどではいまだに十字キーが重要なものですし、Wiiにも上のほうにも十字キーがついています。それにクラシックコントローラでは相変わらず重要なものですしね。
この、30年近く経っても通用するインターフェイス、そしてそれを考え出した横井さんはすごいとつくづく思います。
■関連:横井軍平さんの開発したものは『ドラえもん』にも影響を与えていた - 空気を読まない中杜カズサ
横井軍平さんの開発した偉大なもの
横井軍平さんの開発した偉大なものはたくさんあります。それは「ウルトラハンド」、「ラブテスター」、「光線銃」、「ウルトラスコープ」といった玩具。ゲームでは「ゲーム&ウォッチ」、「ゲームボーイ」などのハード、それに「ドンキーコング」、「バルーンファイト」、「マリオブラザーズ」「GUNPEY」といったソフトの開発に関わるなど、この人がいなければ現在のゲーム業界はなかったと言えるほど大きな存在です。
ちなみによく言われる「バーチャルボーイ」ですが、私としてはゲームハード的にはすばらしいものだと思っています(長くなるのでここでは割愛しますが、それ前後の「据置機ゲーム」という括りで見ないで、全く新しい玩具と見たほうがよいと思います)。ただ、広報とソフトがついてこなかった面がありますが。
■参考:横井軍平 - Wikipedia
さて、この横井さんが開発したものの中で、単体の製品ではありませんが非常に有名で、且つゲームの歴史にとって欠かせないものがあります。それが「十字キー」。
十字キーと任天堂
ゲームをやったことのないという方以外なら、殆どの方が十字型の方向操作キーである十字キーに触れたことがあるでしょう。これも横井さんの生み出したもので、初めて搭載されたのはゲーム&ウォッチのドンキーコングから。これの素晴らしいところは、片方を押した時に片方が盛り上がるため、指に返ってくる反応でどちらを押しているかがわかること。また押している感触もよく、任天堂のゲームハードにはこれが今まで標準的についています。またほかのゲーム機でも十字キーに近い形で方向キーが作られたものも多いです。
この素晴らしい仕組みについて、ビル・ゲイツに「未来のマルチメディア機器に搭載するのは十字キー」というようなことまで言わせました。
■参考:Philosophy of Nintendo - ゲーム&ウォッチ
■参考:2002 International CESレポート
さて、この素晴らしい発明ですが、今まで任天堂が権利を持っている、ということが言われてきました。しかしライバル機である「ドリームキャスト」などには十字キーが搭載されている上、ジョイスティックのようなものでは、セガ系、ソニー系のそのまま十字キーが搭載されることがありました。というわけで、この十字キーの権利に関して今どうなっているのか、ちょっと調べてみました。
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十字キーは「実用新案」として保護されていた
まず、ここで発見したこと。
■十字キー - Wikipedia
十字キーについては、1982年に任天堂株式会社が実用新案登録出願を行い、1992年に「方向性スイッチ」という名称で実用新案権を取得している (中略) なお、当時の実用新案権の存続期間は出願から12年間(または出願公告から10年のうちの短い方)であったため、この権利はすでに1994年に消滅している。
さて、「実用新案」から説明する必要があるでしょう。これは物品の形状、構造、組み合わせの「考案」に対しての権利です。
■参考:実用新案権 - Wikipedia
ちなみに有名な「特許」というものがありますが、これは発明に対しての権利なので、これが該当するとしたらゲームの操作ボタンそのものでなくてはいけないはずですが、これはすでに十字キーの生まれるだいぶ前にその存在があるので、該当しないでしょう。
そして、十字キーの場合この実用新案権を申請し、そして認められたことになります。ただ、持っていたのは十字型という外見ではなく、内部構造、すなわち真ん中に支点があり、片方を押した時にもう片方が持ち上がり、上下、もしくは左右を同時に押せないというしくみに対してのものだったようです。
余談ですが、任天堂はゲーム&ウォッチについて1980年に特許を取得しています。他の知的財産の権利については以下にわかりやすくまとめてありましたので、こちらをご参照ください。
■知的財産についてまとめてみた - チョコっとラブ的なにか
十字キーの権利は今どうなっているのか
さて、このように十字キーは「実用新案権」が申請されていましたが、それの存続期間は現在の法律で出願から10年、当時の実用新案権の存続期間が適用されるとしても、期限は切れていることになります。ちなみに1994年といえばPS、SSが発売された年だったので、そこが最後に制約を受けた場所となるのでしょう。
ということは、ドリームキャスト(1998年発売)のコントローラに十字キーみたいなものが設定された時にはいろいろ言われましたが、もうこの時点では任天堂の実用新案権は失効していたことになります。ただ、ドリームキャストの方向キーも、任天堂が持っていた権利と引っかからないように作られていたらしいです。
■参考:ドリームキャスト - Wikipedia<
では、他の権利を今任天堂は持っているのかと調べてみたのですが、とりあえず特許、実用新案は見つからず(そもそもこの2つは特例でない限り延長はないはず)、商標検索でも出てこなかったため(そもそも部品名だから商標にはおそらく該当しない)、これらの権利は持っていないと思われます。ただ、もしかしたら何かの権利を保有しているという可能性もありますが、そこまで調べることはできませんでした。
今も使われている十字キー
現在、据置機ではアナログコントローラやWiiリモコンのようなものが方向操作の主体となり、昔ほど頻繁に十字キーが使われることはありません。しかしそれでもDSなどではいまだに十字キーが重要なものですし、Wiiにも上のほうにも十字キーがついています。それにクラシックコントローラでは相変わらず重要なものですしね。
この、30年近く経っても通用するインターフェイス、そしてそれを考え出した横井さんはすごいとつくづく思います。