2009年、『リンククラブ』という会社がいきなり会員から一万円をクレジットカードなどの引き落としなどで徴収したことが問題として叫ばれました。

「LinkClub」を運営するカイクリエイツ、会員に無断で「セキュリティ強化費」計2億円を徴収 | スラッシュドット・ジャパン IT
■ネット料金、予告なく課金 2万人から計2億円で苦情多発 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)※リンク切れ

ここはインターネット普及期以前から「マックユーザー専門プロバイダー」という触れ込みでサービスを行っており、2000年以前は評判も良かったようです。しかしながら2000年以降はサービスも悪化し、退会する人も増えたとのこと。そして今回、ネット上での話によると、その頃から無料サービスを放置していたユーザーでも、一度クレジット番号を教えていた人からは一万円を徴収していたという話です。

さて、実はこの手の事件は初めてか、というとそうではなく、似たような事件が6年前にも発生していたのです。それを行ったのは「カントリーインターネット」というプロバイダ。
Server room
Server room / torkildr



ネット発展期に存在したプロバイダー、カントリーインターネット


カントリーインターネットは、広島県で会員数千人を抱える地方プロバイダであり、インターネット普及期からあったものでした。今でこそ大手メーカー系のプロバイダがシェアを占めるようになってしまいましたが、2000年前後というのは地方の小さなプロバイダーでそこそこ人気があったりするところも存在していました。

■関連:ベッコアメ・インターネット等ネット発展期の独立系ISPはどうなったか : Timesteps

カントリーインターネットもそのうちの一つであり、広島県あたりではそれなりに利用者もいたようなのですが、2003年6月2日、その会員に対して「プロバイダ料金を3倍に値上げする、問い合わせには一切応じない」と言う旨のメールを送りつけたとのこと。当時年間1万8000円だったらしいので、5万4000円になったというらしいです。 しかもそのメールには「お問い合わせにはお答え致しかねます」と、抗議を一切受け付けない分まで書かれていたようです。

もちろん、そんなことをされてはたまったものではありませんので、会員は騒ぎますが、それ以降電話はつながらず、記載されていた住所にも会社は存在しなかったとのこと。これは2ちゃんねる等でも話題になります。

■参考:カントリーインターネット問題

いきなりの事業停止


そしてリンククラブの件と同じように、公的機関などへの抗議も入ったらしいです。で、上によるとそういった機関やマスコミには説明があったらしいですが、会員には一切説明はなかった模様。
その後6月26日17時頃、突然回線が繋がらなくなり、そこのプロバイダを使ってネットに繋げていた人は使えなくなり、ホームページを持っていた人も消されてしまったようです。

その後、その会社がどうなったかについてはちょっと調べてもわかりませんでした。おそらくですが、倒産して逃げられたのではないかと(※それについて、文末に頂いたコメントを追記しました)。ただ、前述の参考ページからすると、少なくともサーバは復旧していないです。
ちなみに、その会社のドメインはwww.potato.or.jp、あと当時ちょうどorからneへの移管時期だったのでwww.potato.ne.jpもそうだったようですが、その後調べてみたら、neのほうは旭川のケーブルテレビ局、orのほうは都内の保育サービスになっていました。まあ、potatoが一般名称ですから、空いたらすぐに取られるでしょうね。両方とも、カントリーインターネットとは全く関係ないでしょう。


そして、また起こってしまった類似事件


しかし、これでネットサービスというものの不安定さ、そして課金の不安定さについて学んだはずでしたが、忘れたころに起こってしまいましたね。
ちなみに実際にその3倍料金を徴収する前に会社がなくなってしまったみたいなので、カントリーインターネットの事件では調べた限りは金銭的実害はなかったみたいですが(それでもいきなりHPが消えた人はプライスレスな大損害でしょうが)、リンククラブの件は実際にお金が引き落とされた人がいるみたいで、その後返金騒ぎとなっていました。

■参考:■この騒動で考えなければいけない事■


こういう行為はインターネットという空間でのサービス、そしてネット課金においての信用をなくし、これからのネットサービスに多大な影響を与えかねないので、今後起こらないように見守りたいと思います。


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☆追記
旧ブログエントリーのほうで以下のようなコメントを頂きました。
あくまでネット上のコメントで信憑性の確認はできませんが、それをふまえてご参考までに。
108 12-06-21 (木) 14:10 編集
今更この記事を見つけたのでコメントを。
当時カントリーインターネットと契約してて、ソース元のページを作る際にも関わった者です。

この後、元社員の人と連絡を取って話を聞いたのですが、カントリーインターネット内で起こった事をざっくり要約すると「順調に行ってた会社を、ヤの付く職業の人に乗っ取られた」という事でした。まぁ、広島ですしね。ヤの人の本場ですからね。当時はITバブル的な空気があって、儲かりそうなイメージもあって、目を付けられたんでしょうね。

乗っ取られた後の社内は色々と酷い事になり、一年程で技術者が居なくなるなどして立ち行かなくなり、事業を畳む際の最後の一シノギとして3倍値上げをやらかしたらしいです。

弁護士に相談するといった手段も考えたのですが、相手が相手なので非常に面倒臭い事になりそうだったのと、私自身が関東へ引っ越す時期とも重なってしまった為、結局この件からは手を引きました。
元社員の方からの連絡も途絶えてしまったので、それっきりですね。

今後こういう事が起こらないといいなと思ってましたが、まぁやっぱり起こっちゃいますよねw
なんだかなぁ。