『ネットげーせん』といっても、ほとんどの方はご存じないと思います。これはメディアカイトという会社が始めようとしたサービスで、1970-1990年頃に人気を博したアーケードゲームをPCにダウンロードし、1回50円でプレイできるというサービスという触れ込みでした。
■懐かしのゲーム、ネットで復活
フリー写真素材 フォトスク
上のソースのリリースが、2002年8月27日、そして開始予定は9月11日の予定で、ニュースリリースの頃には、すでに画面写真もあることから、システムは既に出来ていて、(c)表記もあることから、複数のメーカーとの契約も済んでいたようです。
さて、これは「エミュレータ」という技術を使っています。これは、PC上でマシンを仮想に再現して、その動きを行わせるという技術(エミュレーション)を使ったアプリです。しかし、アーケードゲームのエミュレータはそれまでも存在していました。それがMAMEと呼ばれるもの。
■MAME - Wikipedia
これはフリーのアーケードエミュレータであり、以前より開発が行われていました。しかしながら、他のエミュレータがそうであるように、そのエミュレータ自体が合法であっても、それを利用するために使うソフトのイメージ、「ROM」にはそれぞれ開発したゲームメーカーに著作権があるので、配布できません。
そこで本来は自分の持っているゲーム基板から吸い出す必要があるのですが、それが手間がかかる上、アーケードゲーム基板自体そんな流通していないため、どうしてもROMイメージをネットで不法に配布、交換するというものが流通しがちです(最近話題になったDSのエミュ、R4も同じ感じかと)。故に、ややアングラ的なイメージで見られていました(ただし海外では、許諾を受けてROMを合法配布しているゲームもあります)。
そこで、合法的にアーケードゲームをPCで出来るようにと、このサービスが提案されたようです。以下は同社のコメント。
ただ、ネット上では「これ、MAMEとどう違うの?」という話題が当初から出ていました。
そして、9月になると、ある噂が流れます。それは「これ、MAMEのソース流用してない?」というもの。
■「ネットげーせん」が延期された理由
MAMEはフリーソフトですが著作権があり、商用利用不可となっています。もしソースを黙って流用すると、それは著作権違反となります。そこで話題となり、同社はリリースを延期、開発元である香港のBillybala Holdings社に問い合わせを行うことを告知します。
そして9月17日、同社からリリースがなされます。
■メディアカイト、「ネットげーせん」の開始時期は“未定”
経緯はBillybala Holdings社が、、「OAGCシステムプログラムの一部に第三者の著作権を侵害する恐れがあることが判明した」(メディアカイト)とのこと。すなわち、MAMEのソースを盗用していたということみたいです。ニュースソースには、
とあります。つまり、まさかそんな企業がわかるようなソース盗用はしないだろ、と思っていたら大間違いだったということですね。皮肉っぽく言えば、ROMの著作権管理は出来ていたけど、エミュレータ本体の著作権管理は出来ていなかったと。まあこれには、中国市場の著作権意識が著しく低いという背景もあったと思われます。
結果、サービスは延期、該当する部分のプログラムを全て破棄し、新しく開発を行うということで、発売時期は不明となります。そして、5年以上が経った現在も、リリースはなされていません。
ちなみに、同じくMAMEソースの盗用が疑われているものには、『オレたちゲーセン族』シリーズがあります(参考:オレたちゲーセン族 - Wikipedia)。真偽は不明。
その発売元のメディアカイトですが、株式会社2007年、破産宣告を受けて倒産してしましました。 負債総額は26億。しかし現在、その権利を買い取ったのか、『メディアカイト販売』という会社が(※追記2015/12/25:サイト消失確認)。そこで扱っていたソフトなどを販売しているようです。でも、さすがにネットげーせんは出てこないでしょうね。
そういえば似たようなもので、商業ソフトにGPLを使い、公開を迫られるケースなんてのもありますね。
結局のところ、プログラマの腕にかかってしまい、それが管理側から著作権違反かを判断するのが困難というところで、こういった問題が発生するのでしょうね。仕様書とかが固まっていればそんな問題は起きにくいでしょうが、そういったものばかりではないと。おそらくシステム開発の体制がこのままなら、似たようなことはまた起こるでしょうね。
■懐かしのゲーム、ネットで復活
フリー写真素材 フォトスク
合法エミュレーター
上のソースのリリースが、2002年8月27日、そして開始予定は9月11日の予定で、ニュースリリースの頃には、すでに画面写真もあることから、システムは既に出来ていて、(c)表記もあることから、複数のメーカーとの契約も済んでいたようです。
さて、これは「エミュレータ」という技術を使っています。これは、PC上でマシンを仮想に再現して、その動きを行わせるという技術(エミュレーション)を使ったアプリです。しかし、アーケードゲームのエミュレータはそれまでも存在していました。それがMAMEと呼ばれるもの。
■MAME - Wikipedia
これはフリーのアーケードエミュレータであり、以前より開発が行われていました。しかしながら、他のエミュレータがそうであるように、そのエミュレータ自体が合法であっても、それを利用するために使うソフトのイメージ、「ROM」にはそれぞれ開発したゲームメーカーに著作権があるので、配布できません。
そこで本来は自分の持っているゲーム基板から吸い出す必要があるのですが、それが手間がかかる上、アーケードゲーム基板自体そんな流通していないため、どうしてもROMイメージをネットで不法に配布、交換するというものが流通しがちです(最近話題になったDSのエミュ、R4も同じ感じかと)。故に、ややアングラ的なイメージで見られていました(ただし海外では、許諾を受けてROMを合法配布しているゲームもあります)。
そこで、合法的にアーケードゲームをPCで出来るようにと、このサービスが提案されたようです。以下は同社のコメント。
「エミュレーションというとアンダーグラウンドなイメージが付きまとうが、ネットげーせんは当時のゲームを忠実に再現しながら、著作権管理を実現している」(メディアカイトの飼沼憲泰社長)。
ただ、ネット上では「これ、MAMEとどう違うの?」という話題が当初から出ていました。
MAMEソース盗用疑惑
そして、9月になると、ある噂が流れます。それは「これ、MAMEのソース流用してない?」というもの。
■「ネットげーせん」が延期された理由
MAMEはフリーソフトですが著作権があり、商用利用不可となっています。もしソースを黙って流用すると、それは著作権違反となります。そこで話題となり、同社はリリースを延期、開発元である香港のBillybala Holdings社に問い合わせを行うことを告知します。
そして9月17日、同社からリリースがなされます。
■メディアカイト、「ネットげーせん」の開始時期は“未定”
経緯はBillybala Holdings社が、、「OAGCシステムプログラムの一部に第三者の著作権を侵害する恐れがあることが判明した」(メディアカイト)とのこと。すなわち、MAMEのソースを盗用していたということみたいです。ニュースソースには、
Billybara Holdingsは香港市場に株式を公開している“優良企業”であり、他人のふんどしで相撲を取るような真似をするはずがないという信頼、あるいは油断があった模様
とあります。つまり、まさかそんな企業がわかるようなソース盗用はしないだろ、と思っていたら大間違いだったということですね。皮肉っぽく言えば、ROMの著作権管理は出来ていたけど、エミュレータ本体の著作権管理は出来ていなかったと。まあこれには、中国市場の著作権意識が著しく低いという背景もあったと思われます。
結果、サービスは延期、該当する部分のプログラムを全て破棄し、新しく開発を行うということで、発売時期は不明となります。そして、5年以上が経った現在も、リリースはなされていません。
ちなみに、同じくMAMEソースの盗用が疑われているものには、『オレたちゲーセン族』シリーズがあります(参考:オレたちゲーセン族 - Wikipedia)。真偽は不明。
メディアカイトは今
その発売元のメディアカイトですが、株式会社2007年、破産宣告を受けて倒産してしましました。 負債総額は26億。しかし現在、その権利を買い取ったのか、『メディアカイト販売』という会社が(※追記2015/12/25:サイト消失確認)。そこで扱っていたソフトなどを販売しているようです。でも、さすがにネットげーせんは出てこないでしょうね。
そういえば似たようなもので、商業ソフトにGPLを使い、公開を迫られるケースなんてのもありますね。
結局のところ、プログラマの腕にかかってしまい、それが管理側から著作権違反かを判断するのが困難というところで、こういった問題が発生するのでしょうね。仕様書とかが固まっていればそんな問題は起きにくいでしょうが、そういったものばかりではないと。おそらくシステム開発の体制がこのままなら、似たようなことはまた起こるでしょうね。