私事ですが、FC2ブログで続けてきた『ゲームミュージックなブログ』を少し前にWordpressに移転して、元のほうは更新停止にしておりましたが、このたび、元サイトのほうを完全にクローズにして、移転完了としました。

ゲームミュージックなブログ

思えば最初にブログを開設した時(2005年秋)に使い始めたFC2ブログでしたが、ほかにもいくつかのブログを作りつつ長い間お世話になりつつもここで完全に抜けた形となります。現在運営しているものは、大半がWordpressで構築しているもので、「空気を読まない中杜カズサ」がはてなブログ、そしてここ、「Timesteps」がライブドアブログになります。

さて、FC2から移転した理由はいろいろあるのですが、それを考えていると開設した時にどうしてFC2を選んだのかなどということも思い出してきました。ブログサービスがどんどん出来て、ブログブームと呼ばれたのは2004~5年頃と記憶していますから、もう10年近く経つのですね。

というわけで、せっかくですからそのあたりのブログの思い出から、昨今のブログサービスについて、自分の経験から見えた範囲内で語ってみようと思います。企業が語る歴史は数多くありますが、こういった個人がこの手のを語ることは少ないと思うので、どこかで参考になればと。
ゲームミュージックなブログ



日本のネットにおけるブログサービス誕生とブーム



Picsel Browser : Hatena Diary / ヨシキ


日本においてブログサービスが開設されたのがだいたい2003年あたりから。国内での代表的なところでははてなダイアリーの2003年1月、ライブドアブログの2003年11月、アメーバブログの2004年9月、FC2ブログの2004年10月サービス開始あたりになります。

私がブログを始めたのは2005年10月くらい。ちょうど勤めていた会社を辞めることになり、時間が出来たのでなんとなく、という感じでした。そこでブログサービスはどこにするかという選択をすることになったのですが、当時シェアとして大きかったのは、記憶にあるところではライブドアブログ、gooブログ、exciteブログ、Yahooブログ、FC2ブログ、はてなダイアリー、アメブロあたりだったでしょうか。

そこから選択することになるのですが、当時ひとつの問題がありました。それは大半のブログが無料プランでのアフィリエイト禁止だったこと。まあ大げさに儲けるつもりはありませんでしたが、そこは当時はまだ何も知らない初心者、多少欲も湧くところもあったので、全く出来ないというのは回避する要因となってしまいました。とはいえ有料プランもどうかなあ……ということで、無料でアフィリエイト可能だったのがFC2ブログとSeesaaブログでした。
そのため、両方のブログで開設することにします。片方はFC2で雑文系の「空気を読まないブログ」、そしてもう片方は趣味のゲームミュージックのことについて書こうと思った「ゲームミュージックなブログ」をSeesaaで。

ちなみに2005~2006年くらいの情勢では、まだアメブロが芸能人ブログの大量勧誘を行う前でもあり、ライブドアブログが開設数トップシェアでした(当時の週刊アスキーのデータより)。しかし、2006年1月にいわゆるライブドアショックがあり、そこから将来性を不安視して移転が急増したのか、単に他が伸ばしたのか首位陥落、ユーザーが分散することになります。まあその結果いろいろな試みが行われたが故に、自分も今ここで書いてたりするのですけどね。そこでトップに躍り出たのがFC2ブログでした。

前述のアフィリエイトの件もあるのですが、この頃のFC2というのは非常に自由だったのですね。無料でもアフィリエイトもそうだし、広告もなし、なのに機能やテンプレートは他に劣らず。いったいどうやって収入があるのだろうと、会社の正体(アメリカにあるということだけは知られていたけど、詳細が不明)もあり、怪しがる人までいました。

そして自分もこのFC2の(多少サーバは重いけど)使い勝手の良さに運営を続け、さらに「ゲームミュージックなブログ」のほうもFC2に移転させることとなります。まあもうひとつ理由があって、Seesaaブログには当時ブログが重かったのと、「再構築」という独自の投稿システムがめんどくさかったのがあります(その後普通のものを実装)。

しかし、FC2ブログにも欠点がありました。それはブログ複数開設自体はOKだったのですが、それぞれ別のメアドを登録して、いちいちログインし直さなくてはいけないこと。
それが面倒だったのと、他のブログを使ってみたい欲も出てきたので片方をあちこちで軽く試し、そのうちはてなダイアリーが独特で興味深かったので「空気を読まないブログ」を、そこでやっていた「中杜カズサmemo」とくっつけて「空気を読まない中杜カズサ」として開設します。その流れがはてなダイアリー→はてなブログとやり続けて、今に至ります。


ブログと連動するブログサービス



feed meter / yto


ブログの話をする上では、それに連動するブログサービスが欠かせません。具体的にはブログパーツやブログポータルになります。それらは主にアクセス数を増やすために実装や登録するものですが、中にはブログペットのような、遊び心中心で配置するものもありました。

ブログポータルは、BlogPeopleにほんブログ村 のようなところ。自分もとりあえず登録してましたね。
あと、一時期(2000年代半ば)は多くのブログがつけていたのがブログランキングパーツ。すなわちバナーを貼り付けて、それのクリック数においてランキングが決まるというサイト。「人気ブログランキング」などがそれに該当しますね。
ただ、残念なことにこれらのクリックを強制的なまでに誘導するサイト(とりわけアダルト系や情報商材系など)が上に上がってくるようになってしまい、信頼性が損なわれていった面があると思われます。

あとは、「 あわせて読みたい」のような相互リンク型ブログパーツや、ブログスカウターのような人気度を測るシステムもありました(ちなみにこれらのうち、とあるサービスでサービス元のドメイン消失のせいで貼ってるだけで画面が表示されなくなるエラーが生じてえらい目にあった記憶が)。

ただ、これらの多くは2010年あたりで需要の低下(おそらくはその時々のSEO対策と合致しなくなってきた)にあわせてサービスが終了してしてしまいましたね。自分は今はそのブログサービスのものではない外部のパーツは、写真のfeedmaterなど絞って使ってる感じです。

あと相互RSSのドリコムRSSもそうですが、このブログの下についているように、ライブドアが新しくRSSパーツをつけるようになり、最近では2chまとめサイトなどでそっちをよく見かけます。


Wordpressの普及



WordPress Logo / Phil Oakley


このあたりで自分でサーバを借りてそこに配置する型のブログにも興味が出てきたため、当時それ系でメインだったMovableTypeを検討したのですが、ほぼ同時期に有償騒動と、どこまでが商用かというちょっとした騒動がありまして、商用利用はするつもりはなかったのですが敬遠してしまいました。で、当時盛り上がり始めていたWordpressを試しに使ってみると、かなりいい感じだったので、おそらく作ってみたのが「Timesteps」。このブログの移転前のものです。それも移転後、現行通り。

ちなみに当時のレンタルサーバプランは他にブログ立てたり無茶しすぎて相当弱かったので、今のアクセス集中したときの負荷だとたぶん落ちまくってろくに見られなかったかもしれないので、その意味では移転したことのプラスが大きいですね。

Wordpressでは今でも先述のゲームミュージックなブログ以外にも「空気を読まずにマンガを読む」や「訂正information」などいろいろブログを作ったりしていますが、VPSにしたので当時よりはいろいろ対策が施しています。自分はこの対策をするのが楽しいのでいいのですけど、これを面倒くさいと思う人は、Wordpressが広まっても、各種ブログサービスの需要は尽きないでしょうね(まあ、Wordpressもサービス型のを提供していますけど。)。


アメーバブログと芸能人ブログ



アクセス解析|Ameba (アメーバ)_20091025 / smashmedia


ブログサービスに話を戻すと、2008年~2010年頃にはブログサービスにも新たな傾向が生まれます。それはアメーバブログの隆盛。データによると2008年から2009年の間に急激に増えたようです。

■参考:日本のブログシェアランキング: ネット海

これはよく言われるところでは「芸能人ブログ」を勧誘したりする戦略をアメーバが進めていった結果というのが大きいでしょう。それ故に、あまりネットに詳しくない人には、ブログと言えばアメブロ、というイメージを持つ人もいたようです。

ただ、自分の感想だとどうもあそこのブログ文化というか文章の書き方などは、今まで自分がやってきたものとなじまないので、ちょっと試して断念してしまいました。まあもちろんそういう需要はあのユーザー数だけあるでしょうし、そういうブログ文化圏自体はもちろんあってよいと思います。ただ、PV数は自社のアクセス解析の種類によっていくらでも調整できてしまうので、もっと統一的指標が必要ではないかとも思いますが。

他に目を向けると、この時期あたりから2chまとめブログのアクセス数が、全体のトップクラスを占めるようになってきましたね。
まあこれについては功罪両方あると思うのでそのうちネット史として書こうと思いますが、今取り急いで書いておくことがあるとすれば、「2chまとめブログはそこに書いてある事の信憑性は、2ちゃんねる以上のものにはなり得ない」ってことで。まあつまりデマやそれに類する誤解を生むように誘導しているものには気をつけましょうと最近のネット情勢を見て。


2010年以降のブログサービス


そして2010年以降、自分も私的な事情などで更新回数を激減させながらも、なんとか続けてはいました。しかし、この頃からFC2からの移転を考えていました。理由は前述のWordpressが相当慣れて、そっちのほうが使いやすくなってきたこと。それに加え、2012年頃から広告が入るようになったこと。

もちろんこれはWebサービスである以上しょうがないのですが(それにオフにする機能もあったし)。まあ、移転も面倒だったし、長年温めたアドレスを放棄したくないなあというのもあったのでそのまま続けていたのですが、決め手となったのがここ数年のFC2におけるサービス全体の傾向です。しかもそれは提供する側の質ではないところで。

FC2ブログは以前から無料でも非常に自由度が高いところでした。しかしその自由度の高さ故にユーザーも急増しましたが、その結果増えてしまったのがアダルトサイトや情報商材サイトの類。そして一番まずかったのは、いわゆる違法配布(コミックや同人誌など)サイトやそのアドレスを紹介するところ。そしてそれらによってアフィリエイト収入を得ていると思われるところが急増してしまったことです。
もちろん全体の中に比べればほんの一部です。が、そういうサイトは目立つし、アクセスを集めてしまうのが常です。そしてそれらがまた新しく似たような存在を読んでしまうという悪循環も起こしてしまいます。

さらなる危惧は、それらによってもし何らかの問題が生じたとしたら、サービス全体が危機に晒されてしまうというものです。それはライブドアショックで、ライブドアブログが今後大丈夫なのかと心配して、そこから離れた人がいた時のように。
というよりその意味で一番危惧しているのは、FC2ブログよりも同じくFC2が運営するひまわり動画のほうかもしれませんが。あ、もちろん他のブログやらサービスも他人事ではないと思うので。

ちなみにFC2ではこのあたりで長年欲していた独自ドメインの使用可能なども含めた有料プランがスタートしましたが、あと3年早くやってくれればなあと思いました。


これからのブログサービスはどうなるか



thumbnail-feedly-google-reader-01-opt / feestdagen-schoolvakanties-belgie


大半は私的なことになってしまいましたが、約十年のブログサービスを振り返ってみました。今でもけっこう多くのブログが細々ながら続いていますが、終了したものもあります。まあWebサービスの宿命みたいなものですね。特筆すべきは「Doblog」でハードディスク故障によるサービス停止から復活できないまま終了という異例の事態にもなりました。こういうこともあるので、バックアップは常にとっておきたいものです。

NTTデータのブログサービス「Doblog」が終了 ハードディスク故障によるサービス停止から復活ならず:CodeZine


そしてブログと言えば密接な関係にあるRSSですが、2013年7月より、Googleが提供していたRSSリーダー「Googleリーダー」が終了することになりました。こういうこともありますし、ブログサービスやそれに関連するものもまた数年後から見たら情勢が変わっているのでしょうね。