今日は、このTimestepsを書くにあたって思っていることなど。

Break 10
Break 10 / halfrain



一次ソースの信頼性


このブログでは、だいたいひとつものを採りあげますが、もともと全体の経緯を知っているものというのは希で、一部を知っているけど詳細までは知らないもの、中には自分自身も「あれ、どうなってたのかなあ」と思うものまであります。
 となると、当然それらについて調べることが必須となります。その調査方法として一番活用しているのはやはりインターネットになります。やはり検索がしやすく、そして無料で即時情報が得られるインターネットというものは、非常に便利なのですよね。

しかし、インターネットで情報を調べる際に問題になるのが、その信憑性。インターネットは誰でも参加できるゾーンで、それが故に膨大な情報が流れているのですが、それに比例して嘘の情報が流れる可能性もあるので、必ずしもネット上にある情報すべてが正しいとは言えません。
 
そこで、やはり現在ネットの情報として信頼性が高いのは、やはり伝聞ではなく、最初にソースが出されたところなのですよね。代表的なのはマスメディア各社のニュースサイトですが、それだけではなく、ネット専門のニュース配信会社や雑誌社など組織として情報を出しているところで一定の信頼がおけるところがあります。これらの情報はよく「一次ソース」と言われていますね(厳密には企業のニュースリリースとかがあった場合、それらすべてが一次になるわけではないのですが)。

報道機関の情報や書物が必ずしも正しいとは限りませんのでそれを個別に判断する必要はありますが、編集や変更が可能なそれ以降の転載されたものなどに比べれば、一定の信頼は置けるものでしょう。

 まあ、インターネットの情報ソースがそれらだけに依存してしまうという問題もあるのですが、それはまた別の機会に。


消滅する一次ソース


ただ、ここで問題がひとつあります。それは、過去に一次ソースとしてなされた情報が、数年後、いや下手をすれば数ヶ月後にもネット上に残っていないケースがあること。つまり、一次ソースとして流れた情報が消えてしまっているのですね。実際、各新聞社、テレビ局でなされたニュースは、長くても数年、下手すれば数週間で消えてしまうことも珍しくありません。

理由はある程度察しがつきます。それは、各ニュースサイトにしてみれば、それらの情報を残しておいても企業としてあまり得なことがないからでしょう。まず、最新の情報に比べてアクセスが見込めないこと、それなのにデータの量が圧迫すること、また、とっておけば、縮小版などの存在意義がなくなることもあるでしょうか。あと、悪意的に見れば過去に書いたものが仮にまちがいだとしてもそれを検証されたくないからとか(まあこれは考えすぎと思いたいですが)。

ともあれ、あまり企業にとって得のないそういったニュースはけっこう早く消されてしまうのですね。
とはいえ、かなり古い情報もまだ載っているニュースサイトもあります。それは特にIT系の話題を扱っているところ。一例として以下のようなところですね。

INTERNET Watch
ITpro 総合トップ
日経BP社の総合情報ポータル nikkei BPnet 〈日経BPネット〉

1990年代後半の記事でも残っているものがあったりします。そこまでではなくても、比較的保存期間が長いのですよね。ただ、これらではあまりカバーしていない政治、経済、スポーツ、社会などのところは、どうしても一次ソースが存在しないことになります。

まあ、検索をかけることにより、それらを個人ブログに引用したり、2chのスレとして立っているものはあります。それらでもたしかに内容を知ることは出来るのですが、それは移した時点で改変が可能なので、信頼性はどうしても元記事に比べて欠けてしまうことになります。


一次ソースを未来に渡って保存できる仕組みの需要


インターネットが日本に普及したのは1990年代後半から。それまでは当然リアルの情報をネットに載せることは出来ませんでしたので、それ以前の情報はどうしても過去のものを書いたものになり、その情報量も少ないものでした。では、それ以降はリアルタイムの情報が蓄積されて、それらはネット上で常に存在しており、未来に渡って得られるような気がします。しかし実際は、このように消えている情報も多いのです。たしかにWeb魚拓などのアーカイブもあるにはありますが、それも現時点では完全とは言えないでしょう。そもそも検索に出てきにくいし。

これからインターネットは、大幅なネット規制でもかからない限り、次のさらに便利な情報伝達手段が生まれるまで衰退することはないでしょう。しかし、これらニュースが蓄積されないというのは非常にもったいない気がします。それも一度はネット上に出たものであるのに。

最近、報道機関がネットでの情報を有料化する動きがあります。しかし、わざわざ無料で公開されているものを金を出して見るかという意見も多く聞かれます。しかし、その記事と関連する過去の情報を閲覧できるとか、調べたいときに過去の情報を調べられるようにすれば
自分はそこに金を払う価値はあると思います。

情報というと、つい最新ものに目がいきがちですが、ネットも日本で普及し始めて10年以上が経とうとしている現在、そろそろ過去のデータにおける保全を考える必要がある時期にさしかかっているのではないでしょうか。


ただ、あくまで予感ですけど、そのうちgoogleあたりが似たようなことをやってくるのではないかなあとちょっと期待も含めて思っていたりします。やはりネット上の情報を収集統合したいgoogleにとっては、これらのニュースってのはやはり重要なソースでしょうから。

つか、ライブドアさんでもニュース配信しているのだから、こういった一次ニュースの統合アーカイブシステムとかやってくれたりするとけっこう嬉しいのですけどね。