前回、『AOLタイム・ワーナーはそれからどうなったのか』においてAOLタイム・ワーナーの行方について触れました。そこでもちょっと触れましたが、合併した時の巨大なグループの中には「Netscape」というものが見られます。
今日はそのお話で。
Boxed Netscape Navigator / Marcin Wichary
さて、このNetscapeをご存じの方、今ではどのくらいいらっしゃるでしょうか。近年はすっかり聞くことが減ってしまった名前ではありますが、インターネット黎明期では、ネット利用者においてこの会社の名前、そしてここの製品である「Netscape Navigator(ネットスケープナビゲータ)」を知らない人の方が少数だったくらい、知名度の高いものでした。
一応説明しておくと、これはインターネット閲覧用ブラウザ。今このブログを見るのに使っておられるであろうものです。先述のように1990年代のWindowsパソコンにおいては、現在ブラウザ全体の半数以上のシェアを誇るインターネットエクスプローラと並ぶくらいの使用率だったこともあるものです。ちなみにメールソフトなどを合わせた統合アプリとして「Netscape Communicator(ネットスケープコミュニケーター)」と呼ぶこともあります。
では、そのNetscape Navigatorは、そして開発元のNetscape社はどうなったのかということを、1990年代後半から2000年代前半のネットブラウザ史(主にWindowsの)のことについても加えて書いていこうと思います。
plug-n-play-mosaic / finalcut
世界初のWebブラウザは、1991年2月に公開された「WorldWideWeb」というもの。そしてインターネットにおける研究、開発とともに、それを閲覧できるブラウザの開発もなされましたが、それまではテキストと画像を別々に見ることしかできませんでした。そこに1993年、インライン画像を扱うことができるブラウザ、「Mosaic」が当時イリノイ大学の米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)から発表され、ネットブラウザの代名詞となります。
そのNCSAでMosaicの開発に携わり、分離、独立したマーク・アンドリーセンらは、Silicon Graphics社の創立者ジム・クラークとMosaic Communications社を立ち上げます(のちに抗議によりNetscape Communications社へと名称変更)。
そこで1994年に開発されたのが「Netscape Navigator」(以下NN)(最初の名前はMosaic Navigatorでしたが、NCSAの抗議により名前を変更)。
このブラウザは非常に高機能で、多くの利用者に使われることになります。当初はUNIXでの利用が多かったようですが、そのうちパーソナルコンピュータ用も作られ、利用者が急増しました。一時期はインターネット接続ブラウザといえば、ほぼイコールNNという時代もありました。
ちなみに現在のブラウザはほとんどのものにおいてイコール無料となっていますが、この時代のNNは有料でした。
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しかし、1995年。Windows95が発売され、パーソナルコンピュータ(Dos/V機)のOSとして爆発的に広まってゆきます。
そこでインターネットの広まりを予測していたWindowsはインターネット機能を強化し、そのひとつとしてマイクロソフト社製インターネットブラウザ、Internet Explorer(以下IE)がリリースされます。
これは、 NCSAからライセンスを受けたSpyglassからさらにマイクロソフトがライセンスを受けることで開発されたもので、源流にはネスケと同じ、Mosaicがあります。
1995年8月にリリースされた初代IEには利用者があまりいませんでしたが、1995年11月にリリースされた2.0を経て、1996年8月に発表されたIE3.0で、当時のNN3.0と対立することになります。ここにはじめての本格的なブラウザシェアの奪い合いが発生しました。
しかしここではまだIEよりも機能的、安定的にNNのほうが優勢でありました。
Internet Explorer 4.0 / theadamant
しかし1997年、IE、NNともにバージョン4を発表します。ちなみに正確にはここでNetscape社はNNをメールソフトなどを含めたWebアプリ統合環境「Netscape Communicator」(以下NC)の一部とします。
ここでマイクロソフトはこの時点のパーソナルコンピュータ市場で圧倒的なシェアを誇っていたWindowsとIEの連携を深めます。それにより、IEのシェアが急増してゆきます。
しかし、このWindowsとIEの統合がもとで、マイクロソフトは後に数々の独占禁止系訴訟を起こされることとなります。
■参考:IE特許訴訟、裁判所がマイクロソフトの訴えを却下 - CNET Japan
■参考:グーグルもInternet Explorerをめぐる反トラスト訴訟に加わる - オール・アバウト・マイクロソフト - ZDNet Japan
ただ、IEシェアの増加はWindowsへのバンドルによる力だけではありません。IE4.0はHTML 4.01やCSS 1といったものを採用し、当時としてはかなり高度に成長したブラウザだったのです。反面、NNはバグだらけのものであり、かなりエラーや表示ずれが起きていました。それにより、バンドルや無料もあり、IEをメインに使う人が増えてきました。
ほかにも、まだNNが有料であったのに(とはいえ、この頃から個人では試用版など無料で使う人は多かったですが)、IEが無料で配布されていたこともシェアの増加につながりました。
そして1998年には、それまで有料だったNCを無料化。まあ私の記憶では、それまでに一般ユーザーは事実上無償使用出来ていたような感じでしたが。
■ネットスケープ社が「Netscape Navigator」の無償配布開始
しかし、IEの勢いは止まらず、Windows98が出る頃にはIEがかなりのシェアを占めてゆくようになります。
1998年10月、NC4.5がリリースされますが、基本的には4.0シリーズとは変わりませんでした。
そしてこの頃にはすでに、IEはNCを抜きトップブラウザとなっていました。
そしてこのリリースの一ヶ月後、1998年11月に、Netscape社は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったAOLに買収され、傘下となります。
■AOL、Netscape買収で正式に合意(1998年の記事)
しかし、IEの優位は変わらず、シェアの差はどんどんついてゆくことになります。
そして、1999年3月にはIE5が発表されます。
一方、NCのバージョン5は開発はされていたものの、なかなか発表されませんでした。その間にIEはどんどんシェアを伸ばし、約9割にまでなります。
KF-front-OSX-netscape6 / Knight Foundation
しかしその一方でNetscape社は次世代のWebアプリのためのフリーソフトウェア及びオープンソースプロジェクト、「Mozilla」を行っていました。ここでは全く新しいレンダリングエンジン「Gecko」の開発を行い、独自ブラウザのMozillaにもその技術が使われていました。
そんな折、Netscape Communicator5の開発を中止し、既存のルートを破棄、そして同社が中心となったオープンソースプロジェクトのMozillaを利用したものに差し替えるとの発表がなされます。
2000年11月14日、Mozillaの技術を利用したNetscape6.0が出されましたが、まだこれはMozillaプロジェクトの中では未完成のようなもので、かなり重く、そしてバグも多かったために、シェアの回復には至りませんでした。
Firefox logo / Titanas
2002年8月、Mozilla 1.0.1ベースのNetscape7、そして2003年6月にはMozilla 1.4ベースのNetscape7.1が出されますが、シェアは回復しませんでした。
ちなみに2004年当時のシェアはIE群が95%以上という圧倒的なものでした。
■参考:Web資料館-ブラウザのシェア調査
そしてNetscapeの日本法人も撤退し、日本語版はこの7.1が最後となります。
その後、MozillaプロジェクトはそれまでのNetscapeやMozillaブラウザなどを経た後、その集大成として新ブラウザ、Firefoxをリリースします。そしてそれは再び(6以降あまり評判がよろしくなかった)IEと争うことになり、現在につながります。
Netscapeですが、AOLでもNetscapeチームが大量にレイオフされ、開発は外部への委託となります。
そして2005年、Netscape Browserという名前で、バージョン8がリリースされ、その後2007年まで8のまま続きます。
2007年1月23日、新しいスタンドアローン版ウェブブラウザのNetscape Navigator 9のリリースが表明され2007年10月15日に9.0の正式版が公開されましたが、この頃はすでにFirefoxもバージョン 2.0になっており、新たな必要性がありませんでした。
そして2008年2月20日、とうとうNetscape最後のバージョンとなる、9.0.0.6が公開され、これをもって開発の停止及びFirefoxへの移行推奨がなされました。
■Netscapeが開発終了。AOL、ブラウザ開発事業から撤退 : ネットPR.JP - netpr.jp -
Safari 3 Public Beta Windows Version / FHKE
ここで抜かすと一部の方から怒られそうなので、OperaとSafariについても少し。
Operaの歴史は意外と古く、1996年にはOpera 2.0がリリースされています。2000年リリースOpera 4.0ではいち早くタブブラウジングが
実装されておりました
2002年には日本語版も発表され、IEが圧倒的主流だったこの当時、IEを嫌う人たちの受け皿になっていました。
そのうち無償化し、独自の利用者を得ていましたが、どちらかというとOperaが強かったのはPCよりモバイル機器でのブラウジングで、Wiiやケータイなどでの利用が現在でも数多くあります。
Safariは、アップルにより開発されているウェブブラウザで、2003年6月に公式版が発表。それまでのMacではNetscapeシリーズやInternet Explorerが標準ブラウザとして使われてきましたが、ここからはこれがMacにおける標準ブラウザとなります。
とはいえ、あくまでMac専用のブラウザであり、Windowsなどでの普及率は低いものでしたが、近年、iPhoneなどのApple製品が広まるにつれ、それらにも標準で搭載されているSafariの存在感は確実に増した感じです。
※2014/12/22追記
ただ、SafariはWindows用のブラウザとしては事実上手を引いており、iPhoneやMacなど自社製品向けのブラウザとなっています。
Przerabianie aplikacji z Androida do Chrome / download.net.pl
現在はInternet Explorer、Firefoxのほか、OperaやSafari、そしてGoogle Chromeまで加わり、再びブラウザ戦国時代となっております。
■参考:IEのブラウザシェア増加に転向、IE6も増加 | エンタープライズ | マイコミジャーナル
相変わらずIEが半数以上ですが、FirefoxやChromeもジリジリとシェアを上げている状況です。さて、数年後にMozillaの系統はIEを抜くことはあり得るでしょうか。
※2014/12/22追記
2014年時点でのデータはこちら。
■IE11がシェアトップ - 10月ブラウザシェア | マイナビニュース
IEが過半数を保っているものの、Google Chromeがジリジリとシェアを伸ばしている感じ。
そのうちIEに過半を切らせることが出来るようになるのでしょうか。
ちなみに私はブログをいくつか持っていますが、一ヶ月にごく少数、ネットスケープナビゲーターで閲覧されている方がいらっしゃるようです。使い続ける意思は好きですが(もしかしたら知らないでやってるのかもしれないけど)、セキュリティには気をつけてください。
※2016/1/10追記
今だとさらにスマホブラウザの割合が大きくなり、それに強いSafariやChrome、そしてその他もブラウザも、もはや無視する事が出来ず、混迷機に入っている模様です。
そしてWindowsPC用のマイクロソフト製ブラウザもEdgeにと継承されました。
IE10までのIEも今月でサポート終了、やがて完全サポート終了する時代が来るのでしょう
■Tech TIPS:古いInternet Explorerは2016年1月にサポート終了! その対策は? - @IT
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◇その他参考
■Netscape Navigator ‐ 通信用語の基礎知識
■Internet Explorer - Wikipedia
■Netscapeシリーズ - Wikipedia
今日はそのお話で。
Boxed Netscape Navigator / Marcin Wichary
かつて存在したブラウザ、Netscape Navigator
さて、このNetscapeをご存じの方、今ではどのくらいいらっしゃるでしょうか。近年はすっかり聞くことが減ってしまった名前ではありますが、インターネット黎明期では、ネット利用者においてこの会社の名前、そしてここの製品である「Netscape Navigator(ネットスケープナビゲータ)」を知らない人の方が少数だったくらい、知名度の高いものでした。
一応説明しておくと、これはインターネット閲覧用ブラウザ。今このブログを見るのに使っておられるであろうものです。先述のように1990年代のWindowsパソコンにおいては、現在ブラウザ全体の半数以上のシェアを誇るインターネットエクスプローラと並ぶくらいの使用率だったこともあるものです。ちなみにメールソフトなどを合わせた統合アプリとして「Netscape Communicator(ネットスケープコミュニケーター)」と呼ぶこともあります。
では、そのNetscape Navigatorは、そして開発元のNetscape社はどうなったのかということを、1990年代後半から2000年代前半のネットブラウザ史(主にWindowsの)のことについても加えて書いていこうと思います。
源流のWebブラウザ、Mosaic
plug-n-play-mosaic / finalcut
世界初のWebブラウザは、1991年2月に公開された「WorldWideWeb」というもの。そしてインターネットにおける研究、開発とともに、それを閲覧できるブラウザの開発もなされましたが、それまではテキストと画像を別々に見ることしかできませんでした。そこに1993年、インライン画像を扱うことができるブラウザ、「Mosaic」が当時イリノイ大学の米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)から発表され、ネットブラウザの代名詞となります。
そのNCSAでMosaicの開発に携わり、分離、独立したマーク・アンドリーセンらは、Silicon Graphics社の創立者ジム・クラークとMosaic Communications社を立ち上げます(のちに抗議によりNetscape Communications社へと名称変更)。
そこで1994年に開発されたのが「Netscape Navigator」(以下NN)(最初の名前はMosaic Navigatorでしたが、NCSAの抗議により名前を変更)。
このブラウザは非常に高機能で、多くの利用者に使われることになります。当初はUNIXでの利用が多かったようですが、そのうちパーソナルコンピュータ用も作られ、利用者が急増しました。一時期はインターネット接続ブラウザといえば、ほぼイコールNNという時代もありました。
ちなみに現在のブラウザはほとんどのものにおいてイコール無料となっていますが、この時代のNNは有料でした。
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ライバル、Internet Explorerの登場
しかし、1995年。Windows95が発売され、パーソナルコンピュータ(Dos/V機)のOSとして爆発的に広まってゆきます。
そこでインターネットの広まりを予測していたWindowsはインターネット機能を強化し、そのひとつとしてマイクロソフト社製インターネットブラウザ、Internet Explorer(以下IE)がリリースされます。
これは、 NCSAからライセンスを受けたSpyglassからさらにマイクロソフトがライセンスを受けることで開発されたもので、源流にはネスケと同じ、Mosaicがあります。
1995年8月にリリースされた初代IEには利用者があまりいませんでしたが、1995年11月にリリースされた2.0を経て、1996年8月に発表されたIE3.0で、当時のNN3.0と対立することになります。ここにはじめての本格的なブラウザシェアの奪い合いが発生しました。
しかしここではまだIEよりも機能的、安定的にNNのほうが優勢でありました。
Internet Explorerの爆発的普及
Internet Explorer 4.0 / theadamant
しかし1997年、IE、NNともにバージョン4を発表します。ちなみに正確にはここでNetscape社はNNをメールソフトなどを含めたWebアプリ統合環境「Netscape Communicator」(以下NC)の一部とします。
ここでマイクロソフトはこの時点のパーソナルコンピュータ市場で圧倒的なシェアを誇っていたWindowsとIEの連携を深めます。それにより、IEのシェアが急増してゆきます。
しかし、このWindowsとIEの統合がもとで、マイクロソフトは後に数々の独占禁止系訴訟を起こされることとなります。
■参考:IE特許訴訟、裁判所がマイクロソフトの訴えを却下 - CNET Japan
■参考:グーグルもInternet Explorerをめぐる反トラスト訴訟に加わる - オール・アバウト・マイクロソフト - ZDNet Japan
ただ、IEシェアの増加はWindowsへのバンドルによる力だけではありません。IE4.0はHTML 4.01やCSS 1といったものを採用し、当時としてはかなり高度に成長したブラウザだったのです。反面、NNはバグだらけのものであり、かなりエラーや表示ずれが起きていました。それにより、バンドルや無料もあり、IEをメインに使う人が増えてきました。
ほかにも、まだNNが有料であったのに(とはいえ、この頃から個人では試用版など無料で使う人は多かったですが)、IEが無料で配布されていたこともシェアの増加につながりました。
そして1998年には、それまで有料だったNCを無料化。まあ私の記憶では、それまでに一般ユーザーは事実上無償使用出来ていたような感じでしたが。
■ネットスケープ社が「Netscape Navigator」の無償配布開始
しかし、IEの勢いは止まらず、Windows98が出る頃にはIEがかなりのシェアを占めてゆくようになります。
Netscape Navigatorの衰退
1998年10月、NC4.5がリリースされますが、基本的には4.0シリーズとは変わりませんでした。
そしてこの頃にはすでに、IEはNCを抜きトップブラウザとなっていました。
そしてこのリリースの一ヶ月後、1998年11月に、Netscape社は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったAOLに買収され、傘下となります。
■AOL、Netscape買収で正式に合意(1998年の記事)
しかし、IEの優位は変わらず、シェアの差はどんどんついてゆくことになります。
そして、1999年3月にはIE5が発表されます。
一方、NCのバージョン5は開発はされていたものの、なかなか発表されませんでした。その間にIEはどんどんシェアを伸ばし、約9割にまでなります。
Mozilla誕生
KF-front-OSX-netscape6 / Knight Foundation
しかしその一方でNetscape社は次世代のWebアプリのためのフリーソフトウェア及びオープンソースプロジェクト、「Mozilla」を行っていました。ここでは全く新しいレンダリングエンジン「Gecko」の開発を行い、独自ブラウザのMozillaにもその技術が使われていました。
そんな折、Netscape Communicator5の開発を中止し、既存のルートを破棄、そして同社が中心となったオープンソースプロジェクトのMozillaを利用したものに差し替えるとの発表がなされます。
2000年11月14日、Mozillaの技術を利用したNetscape6.0が出されましたが、まだこれはMozillaプロジェクトの中では未完成のようなもので、かなり重く、そしてバグも多かったために、シェアの回復には至りませんでした。
Netscape日本撤退とFirefoxの誕生
Firefox logo / Titanas
2002年8月、Mozilla 1.0.1ベースのNetscape7、そして2003年6月にはMozilla 1.4ベースのNetscape7.1が出されますが、シェアは回復しませんでした。
ちなみに2004年当時のシェアはIE群が95%以上という圧倒的なものでした。
■参考:Web資料館-ブラウザのシェア調査
そしてNetscapeの日本法人も撤退し、日本語版はこの7.1が最後となります。
その後、MozillaプロジェクトはそれまでのNetscapeやMozillaブラウザなどを経た後、その集大成として新ブラウザ、Firefoxをリリースします。そしてそれは再び(6以降あまり評判がよろしくなかった)IEと争うことになり、現在につながります。
Netscapeの開発終了
Netscapeですが、AOLでもNetscapeチームが大量にレイオフされ、開発は外部への委託となります。
そして2005年、Netscape Browserという名前で、バージョン8がリリースされ、その後2007年まで8のまま続きます。
2007年1月23日、新しいスタンドアローン版ウェブブラウザのNetscape Navigator 9のリリースが表明され2007年10月15日に9.0の正式版が公開されましたが、この頃はすでにFirefoxもバージョン 2.0になっており、新たな必要性がありませんでした。
そして2008年2月20日、とうとうNetscape最後のバージョンとなる、9.0.0.6が公開され、これをもって開発の停止及びFirefoxへの移行推奨がなされました。
■Netscapeが開発終了。AOL、ブラウザ開発事業から撤退 : ネットPR.JP - netpr.jp -
OperaとSafari
Safari 3 Public Beta Windows Version / FHKE
ここで抜かすと一部の方から怒られそうなので、OperaとSafariについても少し。
Operaの歴史は意外と古く、1996年にはOpera 2.0がリリースされています。2000年リリースOpera 4.0ではいち早くタブブラウジングが
実装されておりました
2002年には日本語版も発表され、IEが圧倒的主流だったこの当時、IEを嫌う人たちの受け皿になっていました。
そのうち無償化し、独自の利用者を得ていましたが、どちらかというとOperaが強かったのはPCよりモバイル機器でのブラウジングで、Wiiやケータイなどでの利用が現在でも数多くあります。
Safariは、アップルにより開発されているウェブブラウザで、2003年6月に公式版が発表。それまでのMacではNetscapeシリーズやInternet Explorerが標準ブラウザとして使われてきましたが、ここからはこれがMacにおける標準ブラウザとなります。
とはいえ、あくまでMac専用のブラウザであり、Windowsなどでの普及率は低いものでしたが、近年、iPhoneなどのApple製品が広まるにつれ、それらにも標準で搭載されているSafariの存在感は確実に増した感じです。
※2014/12/22追記
ただ、SafariはWindows用のブラウザとしては事実上手を引いており、iPhoneやMacなど自社製品向けのブラウザとなっています。
現在のブラウザ戦争
Przerabianie aplikacji z Androida do Chrome / download.net.pl
現在はInternet Explorer、Firefoxのほか、OperaやSafari、そしてGoogle Chromeまで加わり、再びブラウザ戦国時代となっております。
■参考:IEのブラウザシェア増加に転向、IE6も増加 | エンタープライズ | マイコミジャーナル
相変わらずIEが半数以上ですが、FirefoxやChromeもジリジリとシェアを上げている状況です。さて、数年後にMozillaの系統はIEを抜くことはあり得るでしょうか。
※2014/12/22追記
2014年時点でのデータはこちら。
■IE11がシェアトップ - 10月ブラウザシェア | マイナビニュース
IEが過半数を保っているものの、Google Chromeがジリジリとシェアを伸ばしている感じ。
そのうちIEに過半を切らせることが出来るようになるのでしょうか。
ちなみに私はブログをいくつか持っていますが、一ヶ月にごく少数、ネットスケープナビゲーターで閲覧されている方がいらっしゃるようです。使い続ける意思は好きですが(もしかしたら知らないでやってるのかもしれないけど)、セキュリティには気をつけてください。
※2016/1/10追記
今だとさらにスマホブラウザの割合が大きくなり、それに強いSafariやChrome、そしてその他もブラウザも、もはや無視する事が出来ず、混迷機に入っている模様です。
そしてWindowsPC用のマイクロソフト製ブラウザもEdgeにと継承されました。
IE10までのIEも今月でサポート終了、やがて完全サポート終了する時代が来るのでしょう
■Tech TIPS:古いInternet Explorerは2016年1月にサポート終了! その対策は? - @IT
--------------------
◇その他参考
■Netscape Navigator ‐ 通信用語の基礎知識
■Internet Explorer - Wikipedia
■Netscapeシリーズ - Wikipedia