現在音楽ファイルフォーマットとして今では当たり前のように使われているmp3(MPEG Layer-3)は、1990年代後半、ファイル容量の軽さや、その容量に比較しての音質の良さから、あっという間にパソコンでの音楽試聴のスタイルが広がってゆきました。
何よりも、CDをいちいちケースから取り出して、プレイヤーにかける手間がなくなったのが一番大きかったと思います。ですが、インターネット初期にはかなり権利者側から悪いイメージを持たれてしました。それは、MP3が事実上著作権保護機能を持たず、いくらでもコピーできることから。実際、アンダーグラウンドのサイトではCDからこれに変換された音楽ファイルが流通していました。
しかし本当に懸念されていたことは、借りたCDでもmp3として取り出して再生できる為、それまでのように一人一枚CDを買うのではなく、レンタルですませるという人が増えることだったという可能性も高いでしょう。

そういった中、mp3による流通をなんとか食い止めようと、いろいろな手法がとられました。特に悪い意味で有名なのは、コピーコントロールCD。

CCCDはそれからどうなったのか : Timesteps

その時代の混迷も、後にiPod&iTunesの登場で一気にシェアを奪われるという結果になってしまうのですが。
ともあれmp3はその利便性により普及し、パソコンで手軽にCDからのエンコードが出来るソフトやプレイヤーも多数出てきました。有名なのは「午後のこ~だ」でしょう。昔からのパソコンユーザーでは、これを使って手持ちのCDをエンコードした人は多いのではないでしょうか。

しかし、このMP3に対して、1998年以降、ドイツのFraunhoferとフランスのThomsonがライセンスの保有を主張し始めました。
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