『ファンロード』という雑誌をご存じでしょうか。昭和の生まれで今までオタク文化のいずれかに触れてきた人ならば、読んだことのある人はそれなりにいると思いますし、実際に読んではいなくても聞いたことがある人は多い名前だと思われます。
Fanroad January 1982
Fanroad January 1982 / tohoscope



歴史ある投稿雑誌『ファンロード』


ひとことで言えば、アニメ、ゲームなどオタク系メディアのファン向け投稿誌。その歴史は古く、創刊は1980年7月15日。『アニメック』というアニメ雑誌の兄弟誌としてラポートから発行されました。編集長は浜松克樹氏(通称「イニシャルビスケットのK」)。当時はインターネットがなかったばかりではなく、ゲームでさえほとんど存在していませんでした。そういったアニメ、マンガなどサブカル系の投稿、交流の場として、『OUT』(みのり書房)などと共にファン活動の場を支えてきました。

ここに投稿していた人で、後にプロ、とりわけマンガ家にになった人は数知れず。歴史が長いのでそれこそいろいろな人がいますが、私の世代では『ケロロ軍曹』の吉崎観音氏が一番知られているかもしれません。あと『神聖モテモテ王国』のながいけん氏、『恋愛ディストーション』の犬上すくね氏は当時からファンでした。あと○蜜柑さんとか六鹿文彦さんとか言い出すときりがないな。


ラポート倒産で1度目の休刊


そんなサブカル系交流の場となっていた『ファンロード』ですが、1990年代半ば頃からインターネットが普及してくると、ファン活動の場がだんだんと即時性のあるそちらに移ってゆき、最盛時に比べ雑誌の勢いが低迷します。それでもファンロードという文化のファンが多かったのと、投稿誌ナンバーワンだったのもあったので雑誌は読まれていた感じですが、その発行元、ラポート社が資金繰りに行き詰まったために2003年10月5日、倒産してしまい、そのまま発行が出来なくなってしまいます。

倒産は青天の霹靂であり、多くの読者を驚かせました。実際、次の号も既に完成していたのに発行がされなかったということ。


復刊と大都社時代


しかし、『ファンロード』の制作元である銀英社は、ラポートに変わる発行元を探し、その結果大都社が発行元となり、幸いにしてすぐ復活します。
ただ、2003年頃というのはインターネット普及と不景気による出版不況が顕著になり始めた時期で、いくつもの雑誌が休刊していました。それはファンロードでも例外ではないどころか、100%自作品を発表できるインターネットに押されていた感じがあります。それでも前述のようにファンロードという空間が好きな人に支えられて、雑誌存続してゆきます。

ちなみに、2009年頃ネットを見たときには、ファンロードには公式ページらしきものがこの大都社時代の、しかもだいぶ簡素であり且つ2004年で止まっているものしか出てきませんでした(現在消失)。たしかにWebに割く人員がないというのは想像できますが、このために近況がさっぱりつかめなかった、というのもあります。


再度の休刊


しかし2009年3月14日発売の同年4月号、大都社からの出版が休刊になる告知がされました。

「ファンロード」、再び休刊 - ITmedia News

理由としては、「紙の価格が高騰して採算が取りづらくなっていた中、広告出稿も減少したため」ということで、広告出稿の減少という出版不況の雑誌が抱える問題が直撃した形です。その他にも紙の価格が高騰して採算が取れなくなったことも挙げられています。その当時の発行部数は約5万部ということ。
この時は、インターネット上でも騒ぎになり、各地で昔の思い出が語られたりしました。

そしてその後は銀英社などが運営する「ファンロードモバイル」で続けられるという旨の発表がなされました。


そして再度の復活


その後数ヶ月、モバイル版での投稿と公開は続いていましたが、2009年6月になり新しく『ファンロード改』としてインフォレスト株式会社発行される旨が発表されます。

ファンロード復刊 「ファンロード改」に - ITmedia ニュース

そして2009年7月、コスプレ雑誌「COSMODE」の増刊号として7月16日に発売されました。

Fanroad改 (ファンロード・カイ) 2009年 09月号 [雑誌]

2009年9月からは独立し月刊で発売、編集は従来通り銀英社が担当すると情報が流れました。


発売延期と復刊の連続


ここから2015/1/7の追記になります。
そのまま号を重ねていて、2009年11月にはVol.3 が出たのですが、その後Vol.4が出るはずだった発売月に出ず、翌2010年1月に誌面リニューアルのため発売延期となる旨が告知されました。しかしその後インフォレストから出る事はありませんでした(余談ですが、インフォレストも2014年に事業停止後、破産)。
しかし2010年6月、大洋図書から、『投稿道F』と名前を変えまたもや復刊を果たします。

egg増刊 投稿道F(エフ) 2010年 07月号 [雑誌]

ですがそれも3号まで刊行したあと、2010年11月、発売予定の第4号が中止となります。
その後新たな引受先を模索する予定との告知がなされました。


現状


現状ですが、2012年に「ファンロード・モバイル」サービスがリニューアルのため終了。それと入れ替わるように、編集長のメールマガジンがまぐまぐ!で配信されています(2014年12月末現在109号)。

イニシャルビスケットのKの業界裏話と「ファンロード的描く載る食べる」

そしてファンロード本誌ですが、2012年末、ミラージュプレスより電子版の発行がなされました。

■電子書籍版ファンロードvol1 ※2016/1/8:リンク切れ確認

2015年1月7日時点で、こちらが最新刊となるようです。


長い目で見守ろう


しかし、前回書いた時(2009年)からも変動がかなりありましたね。
ただ、当時にも輪をかけて深刻な出版不況と言われている今でも休刊とならずに、出版社や形を変えて生き残っているのは特筆すべきものと思います。

さて、次に現れるのはどのような形ででしょうか。


■参考:ファンロード - Wikipedia