去年、ニュースを騒がせた冤罪事件がありました。それは「富山連続婦女暴行冤罪事件」。

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ざっと説明すると、2002年3月13日に富山県で発生した婦女暴行事件で逮捕起訴され、裁判で懲役3年に処され刑に服した男性がいましたが、出所後、真犯人が見つかったという冤罪事件です(氷見事件とも言われているようです)。

その時の処々の問題、そしてどうなったかを調べていたら、サイトにとりあげてありました。

富山連続婦女暴行冤罪事件 - Wikipedia
■富山県警冤罪事件、その後 ※リンク切れ

無罪判明前に亡くなった父親のこととかも含め、読んでいてかなりやるせない気持ちになります。


そして2007年10月10日に、無罪判決が言い渡されました。

■【富山冤罪事件】 判決要旨 (1/2ページ) - MSN産経ニュース ※リンク切れ

しかし、冤罪を受けた方が国家賠償請求をするという話以外は、再発防止策など具体的なニュースはあまり伝わってきません。ニュースがないことが怖いってこともあるのですね。

この冤罪事件って裁判員制度を前にして、「このような冤罪があり得る」という可能性を植え付けてしまった以上、それを取り除く努力をしないと、とんでもないことになると思うのですが。それが冤罪の人はもちろん、本当はやっている人を無罪にしてしまう手法としても。おそらく裁判員制度がスタートしたら、弁護士側はこの事件などの冤罪を頻繁に引き合いに出して、「裁判員は無実の人を有罪にするかもしれない」という無言の圧迫をかける作戦をわりと使ってくると予想しています(それの真偽がどうであれ)。
そうすると、今度救われないのは被害者なわけで。富山の事件も冤罪を受けた人もかわいそうだけど、被害者もかわいそうなんだよなあ……。
当然憎むべきは真犯人なわけなのに、そのへんがこれから今以上に複雑なことになりそうで怖いです。


とはいえ、裁判員制度が上手く機能すれば、こういう冤罪を防止することも出来るはずなので、運用がうまくいくことを期待したいと思います。